自分自身の成長のためだけに、思いやってお世話すること
月1回のヴェーダーンタ勉強会、スワミ・ダヤーナンダジ(私の先生、スワミ・チェータナーナンダジの先生)のテレビ番組「スピリチュアル・ヘリテージ」の日本語訳をみんなで読んでいます。
私個人の振り返りと、整理のために、ブログに思ったことを書いていこうと思います。
前回のお話を簡単に振り返ります。
人が追い求める、最も重要な価値がダルマです。
ダルマ、すべきことをする正しい生き方です。
さらに、人間の真のゴールは、「モークシャ」。
小さくて取るに足らないことからの完全な自由です。
全人生が、モークシャのためのダルマの生き方への鍛錬なんですね。
自動的にダルマを生きるようになるための。
そして、インドの文化では、自己成長のために人生の4つのステージがあります。
学生、結婚生活、引退準備、引退、の4つのステージです。
それぞれの段階で、ダルマを追求し、自己成長へと導くのです。
「すべての教養文化から自立して、
ただあなた自身であるために、
神であるために、
そして生きとしいけるものであるために、
全人生があなたを作り上げるのです。」
今回は、最終話の第52話「思いやってお世話をするための提案」です。

このテレビ番組では、初回から自尊心や自己尊厳について、繰り返し話されてきました。
この世界すべて、私の体や考えも含めて、
すべてが神から離れた別のものではありません。
この世界観を理解するなら、自尊心がない、という問題はありません。
インドのこの世界観や文化は、
自己尊厳を育むために必要で、かつ完璧な文化だと言われました。
自己成長、適切な行いを選ぶ能力などの自分自身を発見することが重要視されているのです。
その成長の過程で、手を差し伸べる行為がとても大切で、
それは繰り返し練習する必要があります。
さらに与える行為は、恩着せがましい態度や見返りを期待するのではなく、
ただ与えることを目的にすること。
それが自分を成長させるのです。
与える行為、分かち合うことは成長するための道具なのです。
スピリチュアルヘリテージ
あなたは話します。
分かち合います。
与えます。
あなたもまた他の人の助けを必要とするのですから。
あなたは他の人を思いやりお世話します。
それがセーヴァと呼ばれます。
全世界で、人々の価値観が変わり、大きな変化を余儀なくされている現在、
インドも例外ではありません。
インドの社会は、競争はなかったのですが、
社会の変化に伴って、競争は避けられなくなっています。
どのような地位や立場、職業についていても、
自己成長が重要視されていたのですが、
競争的な社会では、社会的地位や財産などが重要視されがちです。
競争的な社会の中で、自己成長を目的に生きるなら、
ダルマに沿って進むことが大切で、
スヴァ・ダルマ(自分自身のダルマ)を再定義する必要があります。
スピリチュアルヘリテージ
この時と場所と状況で、私が期待されていること、それがスヴァ・ダルマです。
これは、前もって決められているものではありませなん。
これは、私が決定しなければならないものです。
しかし、与えられたひとつの状況の中では、それは明らかです。
それが、スヴァ・カルマとなります。
スヴァ・ダルマとなります。
その時と場所に応じて、期待されていることをするって、状況は複雑なので、簡単なことではありません。
しかり、何が正しくすべきことなのか、常に見極めて選択することが、自分の成長に繋がっていきます。
どのような状況でも、ダルマに沿って、惜しみなく与える行為ができますように。
単に自分の成長のためだけに、与えることができますように。
インドの社会でも価値観の変化がある中、
ただ人を思い遣ってお世話するだけの目的で、
ダヤーナンダジは、ムーブメントを始められました。
オール・インディア・ムーブメント フォー セーヴァ
(AIm for SEVA)
インドのスピリチュアルな文化を、内側や外側からの侵食を止めて守るために、
インドの人自身が、ひとりひとり意思をもってムーブメントに参加してほしいと、
ダヤーナンダジは仰っています。
この国は、ユニークなスピリチュアルな文化を持つ国なのです。
世界では人々がお互いに戦っているときに、彼らが気づくのを助けることができる唯一の国なのです。
私たち皆が調和に生きるために十分なものがあることへの気づきです。
そのために、彼らはスピリチュアルな人々に成長しなければなりません。
そうでなければ、宗教や文化の名のもとに、国々は分断するでしょうし、 人類は分裂するでしょう。
実際、私たちはモザイクのような様々な文化を楽しむことができます。
多様な文化が、ひとつのモザイク文化の構成要素になります。
そして、世界中にあるこれらの偉大な文化の数々があって、私たちはより豊かです。
私たちはお互いに尊敬できます。
助け合えます。
そして全人類全人類で成長できます。
スピリチュアルヘリテージ
文化や国や宗教の違いという多様性が、今は争いの種になっています。
しかし、私たち皆が、スピリチュアルに成長できれば、違いは美しいものとして、お互いに尊敬して、助け合うことができるという、ダヤーナンダジの力強い言葉を最後に引用しました。
このトークシリーズは、10年以上前のものなのですが、この時代にも必要なお話ですよね。
スピリチュアル・ヘリテージ、全52話。
4年かけて最後まで終わることができました。
勉強会にご参加いただいた皆様、
サポートしてくださった、スワミ・チェータナーナンダジ。
そしてこのトークシリーズを残してくださった、スワミ・ダヤーナンダジに心から感謝を捧げます。
最後まで読んでくださった皆様にも感謝を。
ありがとうございました。
