自律神経と呼吸ーヨガでリラックス

「何だか気持ちが落ち着かないな」

「ちょっとイライラしているかも」

「理由はわからないけど、安心できない、不安がある」

そんな時、どのようなことをしていますか?

感情の乱れ、不安感、イライラをまず落ち着かせるために、ヨガで行うことといえば、

『呼吸』

です。

ヨガで呼吸を大事にしているのは、自律神経に影響を与える効果がある、というのが大きな理由のひとつです。

ヨガと呼吸については十分ご存知だと思いますが、あらためて自律神経と呼吸について今回はまとめてみます。

私たちの体の器官は、お互いに連携して調和をとりながら、生命活動を維持しています。

体内や体外の環境の変化に対応して、常に密接に連携して、安定した状態を保つように調整する器官が、神経系と内分泌系です。

神経系は、脳と脊髄にある「中枢神経」と、身体中に張りめぐらされている「末梢神経」があります。

末梢神経には、自分の意志によってコントロールすることができる「体性神経」と、意志とは無関係に、反射的・自動的に働く「自律神経」があります。

体性神経は、体の筋肉を動かす神経・運動神経、自律神経は、胃腸の蠕動運動や心臓の拍動などを思い浮かべるとわかりやすいですね。

自律神経は、脳や脊髄から出て、内容や血管など自分の意思とは無関係に働いている器官に分布して、消化・吸収・循環・代謝などをつかさどり、内部環境を調節しています。

自律神経は、交感神経と副交感神経という、お互いに拮抗して働く2つの系統に分かれています。

臓器の多くは、交感神経と副交感神経の両方が分布していて、ともに拮抗して働きます。

二重支配と拮抗作用というそうです。

交感神経は、危機的な状況・突発的な事故や外敵に対して身を守るために全身に作用し、エネルギーを外に活動的に発散するように働きます。

瞳孔は拡大し、末梢血管は収縮し、気道は拡大。

血圧は上昇し、心拍は促進されて、消化管運動は抑制されます。

危険な場面で、闘争・逃走するために働く、とよく言われていますね。

一方、副交感神経は、消耗した体力を回復させたり、栄養を補給して休養する、充電する場合に働きます。

瞳孔は縮小し、末梢血管は拡張され、気道は収縮。

血圧は下がり、心拍は落ち着き、消化管運動は促進されます。

リラックスしている時に働き、体を回復させ、体のさまざまな機能を促進させます。

自律神経が乱れると

交感神経と副交感神経が、状況に合わせて、適切に働いていれば問題ありません。

仕事中は、交感神経が優位に働いて、テキパキと物事を進める。

休憩中や、仕事が終わったら、副交感神経が優位に働き、リラックスして体を休め、仕事で消耗した体力を回復させる。

このように、それぞれの場面で、然るべき交感神経が働いてくれたらいのですが、お仕事が激務だったり、自宅でもお仕事を抱えたり、また家事の負担も、子育ても、しなければならないことはたくさんあります。

休息する時間がとれず、気持ちも落ち着かず、ストレス・緊張状態が続くと、長時間交感神経が優位に働き、副交感神経の働きが抑制されてしまいます。

不眠、疲れが取れない、頭痛、めまい、のぼせ、冷え、耳鳴り、動悸、便秘、下痢、生理不順、イライラ、感情の起伏が激しい、などの不調が起こってしまうのです。

ヨガで自律神経を整える、とは

ヨガの効果として、「自律神経を整えることができます」とよく言われています。

それは先程の通り、状況に応じて、交感神経優位・副交感神経優位にバランスを取ることがスムーズになる、ということです。

ヨガの効果的な方法のひとつが、「呼吸」です。

そしてヨガのクラスでは、活発に動いて交感神経を優位にすることと、リラックスして副交感神経を優位にする、これを交互に組み合わせています。

ヨガのスタイルによっては、前半は活発に動く、後半はリラックス、という流れもありますし、活発に動いてリラックスする、という組み合わせを数回繰り返すこともありますし、ひとつのクラス全体がリラックスする方向に導くこともあります。

意図的に交感神経と副交感神経をオン・オフして、スイッチを切り替える練習をするのです。

自律神経と呼吸

リラックスするために、ヨガで最も効果的な方法は、呼吸ですよね。

ヨガでもさまざまな呼吸法がありますが、一般的に、胸式の呼吸は交感神経を優位にして、腹式の呼吸は副交感神経を優位にすると言われています。

さらに、吸う息は交感神経を優位に、吐く息は副交感神経を優位にします。

気持ちが落ち着かない、イライラしてしまう、活動的なモードを切り替えられない、という時は、深い腹式の呼吸をしましょう。

呼吸は鼻で行います。

鼻からゆっくり、やわらかく、滑らかに吸って、お腹を膨らませます。

吐く息も同様に、鼻からゆっくり、やわらかく、滑らかに吐きます。

吐いた時は、お腹が薄くなるように。

吸い切って、吐き切るように。

吸う息と吐く息は、できるだけ同じ長さ・深さにします。

呼吸の音に耳を澄ませたり、呼吸をしている時の体の感覚を感じ取ったり、どのように体が動いているかを観察したり、呼吸と体を眺めます。

ほんの数呼吸でも、ほっとリラックスした感じがあると思います。

足を組んで座るのがおすすめですが、呼吸がしにくい時、座っているのがつらい時は、仰向けになって行っても大丈夫です。

特に深い呼吸に慣れていない方は、仰向けで行った方が呼吸がしやすくなるのでおすすめです。

横隔膜を大きく動かすのがポイントです。

重さを使うとより呼吸がしやすいので、肋骨の下あたりにサンドバックや細長い枕などを置いたり、手をお腹に置いたりするといいですよ。

慣れてきたら、吐く息を長くして、より深く呼吸をしてみます。

無理がない、止まることのない呼吸です。


図のように膝を開いて股関節を開くようにしてもいいですし、膝を立てていてもいいです。

ほんの少しの時間でも、リラックスしたいな、という時は、ぜひ腹式呼吸をしてみてください。

ただ呼吸を気にしてみるだけで、心身の落ち着きが取り戻せますよ。