ダルマの価値と人間のゴール「モークシャ」
月1回のヴェーダーンタ勉強会、スワミ・ダヤーナンダジ(私の先生、スワミ・チェータナーナンダジの先生)のテレビ番組「スピリチュアル・ヘリテージ」の日本語訳をみんなで読んでいます。
私個人の振り返りと、整理のために、ブログに思ったことを書いていこうと思います。
前回のお話を簡単に振り返ります。
「この世界は神から現れたもので、全てが神」
というインドの世界観。
私の体や感覚器官も神の現れです。
世界全体の体系を神として認識しているならば、
とても注意深く丁寧な生き方になります。
そして、私の人生も、世界全体の体系の中にあり、
私は世界の中で孤立した存在ではないのです。
今回は、第51話「全人生がヨーガ」です。
人が追い求める、最も重要な価値がダルマです。
安心や喜びのために、ダルマを妥協するということはありません。
ダルマ、すべきことをする正しい生き方です。
すべきことをするときに、苦痛や葛藤があるなら、
ダルマの生き方が自動的になっていないので、
自動的になるまで、ダルマを追求しなければなりません。
さらに、人間の真のゴールは、「モークシャ」。
小さくて取るに足らないことからの完全な自由です。
自分は取るに足ることも、取るに足らないことも超えた存在なのです。
最初にダルマですが、それはただモークシャを成し遂げるためのものです。
スピリチュアルヘリテージ
ですから、モークシャが、人生の第一のゴールになります。
それがゴールである時、全てがたやすくなります。
ダルマの生き方が、たやすいものとなります。
もし、ダルマだけがゴールであれば、私は暗礁に乗り上げてしまいます。
もし、モークシャがゴールであれば、ダルマがたやすいものです。
ダルマの生き方は、よりたやすくなります。
たやすいのではなく、よりたやすいのです。
ですから、全人生がヨーガなのです。
全人生が、モークシャのためのダルマの生き方への鍛錬なんですね。
自動的にダルマを生きるようになるための。
そして、インドの文化では、自己成長のために人生の4つのステージがあります。
まずは、学生のステージ。
学生として、スピリチュアルに成長する時期です。
次に結婚生活のステージ。
特に重要な時期と言われています。
ダルマとモークシャに向かって、
夫婦二人が共に成長するために結婚生活があると言われています。
次に、隠退への準備のステージ。
村から少し離れて住む、
隠退した生き方(サンニャーサ)への準備の期間です。
そして隠退・隠遁生活のステージです。
日本では、老後の生活に2000万円必要、
などと以前報道されましたね。
隠退生活にはお金が必要とされていますが、
一体どのくらいのお金が必要なのでしょうか?
スピリチュアルヘリテージ
最も良い隠退の計画とは、「私はお金を必要としない」ことなのです。
それが最も素晴らしい隠退計画なのです。
そのためにあなたが成長しなければなりません。
そうでなければ、あなたはお金を増やし続けなければなりません。
お金がなくてもいられるように、あなたが成長しなければなりません。
あなたが成長する必要があります。
何も持ち物なしに、あなたは大空の下に立つのです。
そのために、あなたはしっかりとした人でなければなりません。
アートマ・バラム、あなた自身の強さがなくてはなりません。
人々の富の力ではありません。
アートマ・バラムなのです。
どのような援助もなく、
自分自身で自立できる力がなければ、
(経済的な面だけでなく)
隠退生活は楽しめません。
日本の文化とは違うので、想像にしくいと思いますが、
インドで出会うサンニャーシーたちは、
とてもハッピーな方々です。
「毎日が日曜日」という感覚なんだとか。
サンニャーシーたちは、何も所有していないけれど、
とても満ちている方々です。
インドの社会では、サンニャーシーを受け入れ守っているのです。
「すべての教養文化から自立して、
ただあなた自身であるために、
神であるために、
そして生きとしいけるものであるために、
全人生があなたを作り上げるのです。」
いよいよ次は、最終回です。