自己尊厳と成功の感覚は、コインの表と裏

月1回のヴェーダーンタ勉強会、スワミ・ダヤーナンダジ(私の先生、スワミ・チェータナーナンダジの先生)のテレビ番組「スピリチュアル・ヘリテージ」の日本語訳をみんなで読んでいます。

私個人の振り返りと、整理のために、ブログに思ったことを書いていこうと思います。

第9話では、行いの結果は、期待通りにいかなくても、イーシュワラ・神から恩恵であること、行いの結果が、自分自身の評価と直接結びつくものではないということを見てきました。

期待通りにいかなくて、がっかりしたり悲しい気持ちになっても、「だから自分はダメだ、できない」などと自分を評価して、自己尊厳を失うことを避けることが大切なのです。

しかし、今まで見てきたように、私たちはたくさんの願望を持ちますが、殆どが期待通りにいきませんから、「自分は失敗した人、ダメな人」というように自分を結論付けて、自己尊厳を持てなくなっています。

第9話で、ダルマは倫理的に正しいこと、いわゆる「良心」「良い・悪いのセンス」、ダルマに反することをアダルマとあらためて説明されました。

ダルマは、どの国の人も、どの文化の人も、高度な教育を受けている人も、教育を受ける機会がない人も、大人も子供も、すべての人に共通な基盤です。

誰もが「傷つけられたくない」し、私が「傷つけられたくない」のと同じように、私以外の人も「傷つけられたくない」ことを知っています。

教育を受けずに知っていることであれば、それはイーシュワラの現れだし、良心はイーシュワラから与えられたものです。

人間は選ぶことができる、自由意志を与えられ、それとともに、この人類に普遍的な基盤・基準を与えられているのです。

この基準がなければ、自由意志を悪用してしまうこともあります。

自己尊厳を得るために、他の人を傷つけてまで、何かを得ようと成し遂げようとする、ダルマに反したことをしてしまうのです。

続いて第10話は「ダルマとの調和」です。

「ダルマがなければ、この世界は3日も持たない」

とスワミジが仰っていたことを思い出しました。

人間には自由意志(行い・選択)が与えられ、同時にダルマ(良心・良い悪いのセンス)という基準も与えられました。

ここでは車を例にして説明されています。

車には自由に動くハンドル・フリーホイールとパワーがあり、同時にブレーキのシステムがあります。

ブレーキがなければ欠陥車です。

自由意志が与えられたなら、「これは間違っている、すべきことではない」と判断する基準であるダルマが必要です。

ダルマがなければ、悪用されることもあります。

私たちの考えに、ダルマ(良心・良い悪いのセンス)として、イーシュワラは現れています。

何か物事を判断するとき、「これは行うべき、これは避けるべき」というように考えに現れますよね。

私がそれ(ダルマ)に逆らって進んでいるとき、罪悪感を感じないというわけにはいきません。
後悔しないわけにはいきません。
私はそれと調和しなければなりません。
もちろん願望から生まれるプレッシャーはあります。
願望を満たそうとするプレッシャーです。
そのプレッシャーが、人をダルマに反して進ませようとするのです。

ダルマに逆らっているとき、私たちは罪悪感や葛藤を持ちます。

良くないとわかっているのに、それをしてしまったとき、チクッと心が痛むような経験。

良くないことだけど、あれこれと言い訳など正当化する理由をつけて行ってしまった後の後悔。

ダルマを見て見ぬ振りをしてアダルマなことを行ったときの葛藤。

そのようなことが、私の自己尊厳を傷つけてきたと思います。

イーシュワラはあなたの考えに現れています。
ダルマとして私の考えに現れています。
とても重要な現れです。
なぜなら、私の自己尊厳は、私が私自身に調和する能力に依存しているのですから。

私の自己尊厳は、私自身(イーシュワラ・その現れのダルマ)と調和する能力にかかっているのです。

私の経験ですが、ズルいことをしてうまく行ったとき、結果は成功だったけれども、「ズルいことをした」自分を見逃すことはできないので、自己尊厳を傷つけて、後悔したことがあります。

成功しなくても、ズルいことをしない方がよかったな、その方が気持ちが辛くないな、と思いました。

本当の意味での成功とは、ズルをしないで、ダルマと調和して行いをすることだったとわかりました。

あなたが成功の感覚を持つことが、あなたの欲しい自己尊厳をあなたに与えるのですから。
わかりますか?
自己尊厳と成功の感覚は、コインの表と裏なのです。
私がダルマと調和する限り、私は成功するのです。

今までの私の見方で、

成功とは、たくさんの願望を叶え、大きなことを成し遂げたこと

とつい思ってしまいますが、

成功とは、満たした願望の量や大きさではなく、どのように自分の願望を上手に扱えたかということ。

前のお話で、成功とは、行いの結果を上手に扱うこと、とありました。

またここに戻ってきました。

願望を持ち、ダルマに沿った行いをして、その結果を上手に扱うこと、それが成功。

ダルマに逆らうことで抱える葛藤や罪悪感を持たないで済むことが、とても大きい成功でもあると私は思います。

あらためて、ダルマと調和することの大切さがわかりますね。

さらにお話を進めると、ダルマと調和することって、実は簡単ではないな、と思います。

「それはするべきだとわかっているけど、やりたくない」

「やめた方がいいことだとわかっているけど、やめられない」

このような葛藤が、私の日常ではたくさんあるのです!

ダルマを選ぶことより、好き嫌い(やりたい・やりたくない)を基準に選んでしまうことです。

すべきこと(ダルマ)と好きなこと、やりたいこと

避けるべきこと(アダルマ)と嫌いなこと、やりたくないこと

これが一致していたら、葛藤もなく、イライラやストレスも少なく過ごせるのになーと思うのです。

次回は、そのために必要な「助け」についてのお話です。








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