乳がん手術後のヨガ
こんにちは。
「Sugandha 蓮沼・蒲田/横浜 ヨガ教室、出張プライベートヨガ」 emiです。
2012年のことですが、大好きな友人が乳がん手術後に私のヨガクラスに通ってくれていました。彼女からたくさんのことを学んだのですが、乳がんの方向けのヨガをちゃんと学びたいと思い、「 乳がん患者さん向けヨガ指導者養成講座」を受けました。
私は乳がんの方向けの専門クラスは行っていませんが、一般のグループクラスで手術経験がある方も一緒にクラスを受けて頂くことがあります。その際に、ヨガを練習するにあたって気をつけて頂きたいことを案内しています。今までは口頭でお話していましたが、わかりにくいので、今回簡単な冊子を作りました。それをこのブログでもシェアしようと思います。
もともとヨガをしている方でも、手術後にヨガクラスを受けることは心配もあるでしょう。手術後にヨガを始めてみようという方は、さらに勇気が必要ですよね。どういうことを気をつけてヨガをしてらいいのかを知ると、少しは気持ちを楽にしてヨガを受けられるのでは、と思います。参考になれば嬉しいです。
ヨガクラスへ、ようこそ!
ヨガの経験者も、はじめての方も、安全で楽しくヨガを練習できますうように。
ヨガ医療行為ではありませんが、ヨガのポーズは、身体とこころを緩ませ、スペースをつくります。身体が緩むと、呼吸が深くゆっくりになり、気持ちも緩みます。日常の生活の中で、ほっと寛ぐ時間をつくりましょう。
最も大切なのは、「安全」です
身体の安全ーポーズの形ではなく、身体のどの部分を緩ませ、使っているのかを意識します。深い呼吸ができる程度で、無理がないようにします。
こころの安全ー動きながら、ポーズでキープしながら、「安心」を感じられるようにしましょう。自分の体を受け止め、大丈夫だと安心できる範囲で十分です。
手術後は患側の胸部をひらくポーズでなければ、翌日からヨガを再開しても構わないそうです。胸部をひらくポーズは医師と相談して練習をすることをおすすめします。
気をつけたいこと
疲れすぎないように
やりすぎないように、途中で休息を入れても大丈夫です。
強度の高いポーズは慎重に
筋力が落ちていたり、骨が弱くなっていることもあります。特にバランスのポーズは、転倒を防ぐために、壁の近くで練習をする、椅子を使うなどの方法で安全に練習しましょう。
腕、肩に負担がないように
リンパ浮腫の合併症のおそれがある場合、予防のため、腕や肩に負担をかけないようにします。腕のバランスのポーズなど肩や腕の力を使うポーズはお休みするか、やさしいポーズにしましょう。肩を圧迫するポーズも無理のないように。腕をあげる動きも、安心でいられる、できる範囲で行いましょう。腕のサポーターを使用するのもおすすめです。
ゆっくり動きましょう
身体の繊細な感覚を意識してゆっくり動くことで、怪我を防ぎます。
呼吸法について
深い呼吸は、リラックス効果、免疫機能向上などの効果があります。完全呼吸法、片鼻呼吸法などゆっくり行う呼吸法がおすすめです。カパラバティなどの激しい呼吸法は、負担がかかることがありますので、体調にあわせて行いましょう。
ポーズを見てみましょう
休息のポーズ
クラスの途中、いつでもこのようなポーズでお休みをしても大丈夫です。
チャイルドポーズ
屍のポーズ
股関節をひらくポーズ
体側を伸ばすポーズ
体側や脇の下を伸ばす動きは、肩に気をつけて無理なく行いましょう。途中まででも、右手で腰をつかむ、右腕を体側に沿わせるなどやさしい動きに変えても良いでしょう。
後屈のポーズ
後屈のポーズは、肩を深く動かし、鎖骨周りを大きく開きます。加減をしながら行いましょう。
バッタのポーズ
鳩のポーズ
弓のポーズ
胸をひらくポーズ
腕をあげるポーズ
腕をあげるときも、様子をみながら丁寧にポーズに入ります。腕をあげなくても大丈夫です。右手で腰をつかむ、右腕を体側に沿わせるなどやさしい動きに変えても良いでしょう。
三角のポーズ
腕の力を使うポーズ
手をマットについて体を支えるポーズも、肩や腕に負担がないようにします。
このようなポーズはお休みしても良いでしょう。膝をつくことで、負担を軽減します。
(四つ這いになって腕の負担がある場合は、前に椅子を置き、負担になる方の腕を椅子に乗せます)
このポーズは、膝を曲げて行ったり、骨盤を持ち上げず、鎖骨周りをひらく動きをするだけでも十分です。
下向きの犬のポーズ
腕や肩がつらいときは、膝をつく形に変えます。脇の下や体側が伸ばせないときは、右図のように伸ばしすぎないように。
(壁を使った下向きの犬のポーズに変えることもできますー壁に面して立ち、両手を壁につけます。手の位置は骨盤の高さにします。)
肩を気をつけたいポーズ
肩に負担をかけやすいポーズをご紹介します。無理をせずお休みしたり、ボルスターやブランケット、ブロックを使って、やさしいポーズに変えてもいいです。
肩立ちのポーズと鋤のポーズ
骨盤の下にブロックやブランケットを入れて、脚を上げる形に変えます。
魚のポーズ
背中にブロックやボルスター、ブランケットを入れて、胸部を少しひらく程度で十分です。
ツイストの胸をひらくポーズ
上の左の脇の下を伸ばしすぎないように加減をしましょう。下の右肩に体重をのせて負担にならないように、頭の下にブロックを入れるなどの調整をします。
ツイストのポーズ
仰向けでねじるポーズのとき、下図では左の腕を真横に置くと、左肩がマットから浮いて、腕の重さの分負荷がかかり、肩の負担になることがあります。左腕は図のように、肩が浮かないように、腕の位置を調節します。
体をおこすとき
肩に負担をかけないように、手術した側ではなく、反対の肩を下にして横になって体をおこします。
そのときその時の体調や気持ちを優先して、無理のない、楽しいヨガの練習にしましょう!